ここ飯南町では、琴引山に関する地元での伝承があります。

 

皆さん「神在月」をご存知でしょうか。

 

旧暦の10月に出雲大社に全国の神が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外では神がいなくなるといわれることから「神無月」。出雲では「神在月」と呼ばれています。

 

この神在月に、出雲では、出雲大社ほかいくつかの神社で旧暦10月に「神在月」の神事が行われます。

 

・旧暦10月10日の夜、記紀神話において国獲りが行われたとされる稲佐浜で、全国から参集する神々を迎える「神迎祭」が行われる。その後、旧暦10月11日から17日まで出雲大社で会議が行われるとして、その間「神在祭」が行われる。

旧暦10月18日には、各地に帰る神々を見送る「神等去出祭」が出雲大社拝殿で行われる。                           (Wikipedia参照)

 

以上がかんたんな「神在月」の解説ですが、地元飯南町では、もう少し詳しい伝承があるんです。 

琴引山神社
琴引山神社

その伝承とは、「記紀神話において国獲りが行われたとされる稲佐浜で、全国から参集する神々を迎える…」とある内容の前に、地元飯南町では

 

『琴引山が全国の神を迎え入れる最初の地である』と伝承されています。

 

旧暦10月になると全国の神様が、まず琴引山の頂上におりたち、そこから山を下り神戸川を通って海へ出て、稲佐浜へ辿り着くといわれています。

 

そもそも神様は、高い木や岩、山に降りてくる、とされています。

 

また、「神戸川」についてですが、琴引山(標高1014m)から流れ出て、飯石郡来島・志々を経、簸川郡にはいって窪田・乙立を通り、一旦須佐に入って、神門群と呼ばれた出雲市乙立に出、朝山から西折して古志・知井宮の北境を西園に出て日本海に出ている。しかし、当時は一旦神門水海(神西湖)に入った後、外海に通じていた。

 

神々は、神の門と呼ばれた神門群に上陸し、神戸川を遡り、狩猟に適した琴引山の麓を最初の居住地の地としたのだろう…。

 

琴引山に降りたった神々は、そこで大国主神の琴で癒された、という伝承もある。

 

『風土記抄』に、

「俗呼んで琴神山という是なり。来嶋郷由来村に在り。山頂に権現祠あり。謂わゆる所造天下大神なり」という節も出てきます。

まさに、今の飯南町の琴引山のことです。